不定形ゲーム 道楽ブログ

ゲーム中心でいろいろ好き勝手に(ゲームと関係ないこともたくさん書くということ)

風の谷のナウシカ

まじで今更ですが観ましたw
いやあの, 虫がずっと気持ち悪いなぁと思って観なかったんですよw

今日はその感想になります.

アニメーションは絵の連続によって成立しますが, 絵は故意にしか成り立ちません.
何が言いたいかというと, 背景の小さな雲や影やオブジェクトも全て描こうと思って描いているということです.

これは人間の視覚の働き方とは全く異なります.
人間は写っているものの中で何かしら注目する必要があります.
なので絵を描こうと思ったら, その点でも観察眼をすごく鍛える必要があります.

アニメーションはそれに動きが入ってくるので, 時間軸も取り入れなければなりません.

ジブリのキャラの走り方とか, 個人的にすごい好きです. 躍動感といいますか.
細かい部分までの描き込みもそうですが, 状況に応じた細かい色使いも素晴らしいです.

リアリティの追求が凄まじい.
自分も最近絵を練習していますが, 壊滅的ですねw
もう20年以上生きているのに, 人間すら満足に描けない…違和感にまみれていますw

この前スイスに行ったときに美術館に行きましたが, リアルよりもリアルな絵がたくさんありました…
もうそう表現するしかないほどの圧倒的密度.
写真では解像度が足りなくて意味が無いと思ったので撮ってません.
美術館に行ったことがないかたは是非.
モネとかものすごく感動しました.
アンディーウォーホールとかはよくわからんかったですw


本題のナウシカですが, すごく心に来ましたね.
彼女のパーソナリティに感銘を受けました.
社会的なとこに対する監督の観察眼も恐ろしいですね.

面白いと思ったところをpick upしていきますぅ.

実はナウシカは環境汚染の話だ, みたいなことを度々小耳に挟んでいたのですが, どうなんでしょうか.
まあ確かに環境汚染の話もあると思うのですが, ナウシカのキャラから言えば, 憎しみとの闘いや信じる心の大切さとかのほうに, より重点が置かれている気がしました.

あの世界は虫と人が完全に別れている世界で, ナウシカだけが虫に寄り添った生活をしていました.
そもそも毒の瘴気にまみれた場所に行こうとも思いませんし, 怒ったら手がつけられないような夥しい数の生物がいるとこになんて, 行こうとは思いませんよね.

なぜナウシカがそうなのかは回想シーンが少しありました.
オームの子供を大人たちから匿うシーンですね.
子供の頃から虫たちと触れ合っていたので, ナウシカにとってはそうゆうものだったのでしょう.

"何を怯えているの?"

作中で何度かナウシカが放ったセリフで, これはめちゃめちゃグサッときました.
みんな自分がすごく大事で, 不可解なものは遠ざけたいし, コントロール下に置きたい.
そのためには武力も行使しちゃう.
これはナウシカの敵ではない風の谷の民にも共通する部分で作品を通して描かれていたと思います.

冒頭のテトをユパから貰うシーンからそれは描かれており, ユパは凶暴だからとナウシカに危険を伝えるが, ナウシカはテトに好きに噛ませて, その結果ナウシカを信頼する.
これなんだよなぁ.
こうゆう壁を勇気を持って乗り越えないと, 我々には先がないんですよ.
G20もやってますが, 結局こういうことなのかなと.
まああれは少し違うかもしれませんが, 世界の歩み寄りとしてね.

こうゆうのはいろんな作品で描かれていると思います.
私の好きなNARUTOもそう.
いつかNARUTOについても書きたいです.

回想シーンはそのままラストシーンに繋がっていたと思います.
スケールがでかくなったバージョンみたいな.
テトの部分とも繋がってますね.
自分の命をも懸ける覚悟に度肝を抜かれました.
オームの大群に弾き飛ばされて, オームが正気に戻るという.
1匹の子供のオームを人の手から助けて, 和解をする.
それが全体に広がっていくという.

ナウシカという人は自分の理想そのものです.
本当に観てよかった.
精進します.




腐海やオームの解釈について.
環境問題というのは, まあストーリの流れ上そうなった, というものではないでしょうか.

腐海に関しても, 毒の瘴気は腐海のものではなく, 人によって汚染された大地のものであるとなっていました.
しかも腐海はそれをクリーンにするシステムであるという.
表面的にはそう見えたとしても, 深部まで行くと全く逆のものであるということがわかった.
ナウシカの涙が非常に印象的でした.
何かストーリーがあるものでは, 涙を流す人は多くいますが, 珍しいタイプの涙に感じました.

そして, オームら虫はそれらを守る役割をしていると.
表面的なところしか見えない"怯えている"人々は, 自分の身を守るのに必死で, 歩み寄って知ろうとすることをしません.
腐海を守る虫たちは敵にしか見えません.
自分たちの力ではどうしようもないから, ほかの圧倒的な力に頼るしかない.
今度は巨神兵を手に入れるための闘いが, 人のあいだで勃発する.
それに巻き込まれる人も出てくる.
"積荷を燃やして"とナウシカに頼んだペジテの王女.
彼女の最期を涙とともに看取ったのは, 自分と同じものを感じたからでしょう.
作品としても, その後にペジテの王女の近しい人とナウシカは仲良くなり, 彼らはナウシカに非常に協力的でした.
ナウシカが実際に服を交換して着るところなどは, 物質性による象徴であって, すごくよかったです.
それがストーリーとしてしっかり組み込まれて成り立ってんのがすごいんすよねぇ…ああ.

人が腐海を攻撃して, その報復としてオームが大群で押し寄せて, そこがまた腐海の苗床になるというのは, 憎しみの連鎖・広がりを連想させましたが, 大事なものを見ない人々に対する罰なのかもしれません.

結局ペジテの高官達も, それに囚われて争いに参加するわけです.
"私たちはトルキメニアとは違う!"そう言い張っていましたが, ナウシカサイドから言わせれば, 巨神兵を巡る争いに参加している時点でアウトなわけで.
しかもそれにオームを利用している.
ナウシカの怒りは風の谷の民を守りたいという想いから来るものもあるでしょうが, それ以上に世界全体への想いから来るものなのでしょう.

少し話が逸れますが, そのナウシカの想いを我々に伝えんとする声優の迫真っぷりもすごかったですね.
思わず気圧されました.
特に子供のオームが湖へ入ることを止めるときの叫び声は凄まじかった.

さて巨神兵ですが, これはどう解釈すればよいのでしょうか.
巨神兵が実際に動いてからですが, お前たちはこんな醜いもののために争っていたのだとか, こんなものに頼ってもどうせ仕方がないのだ, みたいなメッセージなのでしょうか.
巨神兵に関しては, 先述の人々がそれを巡って争うというところで十分に役目を果たしている気がしますが, なにかもっと意味があるのでしょうか.

作品の要旨としては, 結局表面的なことばかり見て怯えて争っているだけでは, 本当に大切なもの(ナウシカ)を失ってしまうぞ, という警告だったのでしょうか.



ナウシカは話としては完結しましたが, 世界としては未だに絶望的です.
オームと和解したからといって, 腐海の侵食が止まるわけではありません.
これから大切なものを知った人々は, どのように生きていくのでしょうか.
腐海の地下で暮らしていけるのでしょうか...




まだ一回しか観ていないので, 事実と違う部分もあるかもしれませんが, 別の面白い解釈をご存知の方がいらっしゃったら, ぜひ教えてください!

本当に書きたいように書いたので, 読みづらかったら申し訳ないですw

イカ, メッセージ性はあまり無いかもしれないが, 面白いと思ったとこ.



まず風の谷にトルキメニア軍が攻めてきて, ナウシカのお父さんがやられたシーンにおいて, ナウシカの心情(遷移)表現がすごかった.

まず現場を見て髪の毛がグワーッと浮くところ.
こうゆうのはアニメーションでしかできない, アンリールを以てリアルを表現するやつですよね.

その後ナウシカは立て続けに兵を殺してしまいますが, ユパに説得されて, 村全滅の道を避ける判断をしました.

その後, 長がやられたのを知って荒れる民を抑えて, 秘密の部屋のシーンになります.
ここまでのシーンで, 自分の父親が殺されたことによる憎しみと, 自分の父親が死んだ悲しみと, その憎しみに駆られてしまう恐さと, 殺してしまったことに対する罪悪感が描かれていました.
現実の複雑さが描かれていて, この秘密の部屋のシーンに至るまで少し違和感があったのですが, なるほどなぁと思いました.
フィクションというか商品は, エンターテイメント性を求めるために単純化されますからね.
ジブリは少し毛色が違うかなといった印象.
そこが評価されている点なのかもしれませんが.
次観る機会があれば, ここの色使いにも注目したいです.


もうひとつは, トルキメニア軍の二番手の男です.
良い表現が思いつきませぬw
この人はこのような組織における人物としてすごく象徴的でした.

トップの女性から意見を求められた時に, 自分の領分ではないと言ったり, 上から命じられたことをそのまま忠実に実行したり.
そしていざ上が消えれば(自分が上になれば), 好き勝手やる.
戻ってきたら, また言うことを聞く.
部下が命が惜しくなって逃げても, 命令を全うしようとする.

上と下がはっきりした組織の典型例て感じですよね.
現代でいうと, 軍事組織とか政府組織がこれにあたるのでしょうか.
信じる力にも多分に関わってきますが, 組織論の話はまた機会があれば.





自分もなにか作品を作りたいなぁ…
勉強して研究していろいろやりたいぃぃぃ!
で感じですわw

それではまたv